「人と関わるいい機会ですよ、睦月様。 きっとこの会場のみなさんも、あなたを受け入れてくれることでしょう。」 「陸人さん…」 「では睦月様、お手を拝借。」 「へ!?」 突然陸人さんに手を捕まれた。 そしてそのまま優しく手のひらに乗せられる。 「あ、の…」 「入場の際は、必ず男女ペアで入ることが決まりとなっております。」 「ええっ!?」 手を握られ、まるでエスコートされるように私は会場の中へと足を踏み入れた。