「私の腕に、手を置いてくれますか?」



えっ



「あ、はい…!」






突然の申し出に困惑しながらも、私は陸人さんの腕にそっと手を乗せる。





それを見て、陸人さんは満足したように笑うと、そのままゆっくりと歩き始めた。









もしかして、



私が慣れないハイヒールの靴で転ばないように、気を遣ってくれてるのかも…






さりげない陸人さんの気遣いに、お礼を言おうとしたが、彼の横顔がそれを拒んでいるように見えたので止めた。