思わずつぶやくと、陸人さんは穏やかに微笑む。 「財閥の方々にとってはお戯れの一つですよ。」 ふと、 陸人さんのドレスを探す手がピタリと止まる。 「今夜は、こちらのドレスでいかがでしょうか、睦月様。」 「え…」 顔を上げると、目の前には何ともキレイな黒いドレス。 これを、今夜のパーティーに…? 「キレイ…」 だけど… 「こんなに立派なドレス、私には着こなせませんよ。」