俺は良介と毎日のように話していた。
朝も昼も放課後も帰り道も。
学校の宿題だって勉強だって色々教えてもらっていた。
良介は頭が良くて、優しくて、スポーツマンで……
とにかく何でも出来る完璧な友達だった。
でも、こんな奴にも苦手なものがあった。
こいつの唯一の苦手なもの、
それは“女”だった。
小さい頃からどうも女恐怖症らしく、女子に話しかけられると、尻尾を巻いた子犬みたいにいつも俺に助けをもとめてくる。
そんな姿を見た女子はすぐに良介に惚れた。
それから良介は女子からモテるようになった。
そんな良介を毎日見るのが、
なぜか楽しかった。
だから、
学校も前よりさらに楽しく面白かった。