カツ-ン カツ-ン


ビルに来たものの、妖一体もいない。


その時、


「おや?人が来るとは珍しいねぇ。もしかして、陰陽師かい?」


振り向くと、氷畧がいた。


「あぁ、昨日の陰陽師か。目、見えないんだって?」


勝手にペラペラと喋る氷畧。


「おや?片方だけ見えるのかい。それにしても、君の親が死んだというのに何故泣けない?」


こいつ、私の事知ってる!?


「氷畧、何故私を知ってるの?」


「俺の事知ってるのかぁ。お前の親が死んだ時に、近くをいたんだよ」


もしかして、お父さんが見つけた妖ってこいつ?