「さぁ、観念してサッサと生徒手帳を返しなさい!」


「じゃあさ、夜風の母さんの美味しいおにぎり作ってもらって来てくれよ」


ズキッ


「無理よ。あれはもう食べれないんだから…」


「もしかして…」


「事故で死んだのよ。妖を退治しようとして道路に飛びだしたのよ」


「そんな…」


私は、下げていた顔を上げて、


「とにかく、返しなさいよ!」


と言った。