「それ探してたの」


生徒手帳を指差して言った。


「返してやりたいのも山々なんだけど…俺の事思い出したらね」


俺の事思い出したら…?


どっかで会ったことあったっけ?


「最強陰陽師の鈴島 夜風」


男の子が通り過ぎる時に、私にしか聞こえない声でそう言った。


バッ!


振り向くと、男の子はいなかった。