「なら、なら…お前は、なぜ俺が留学するか分かるか?」
寂しそうな声色に変わった。何かを、吐き出すような。
「勉強するため…じゃないの?」
「あぁ…。」
「じゃあ、なんで…」
さっきかららしくもなく、何かに揺らいでいるような様子に思わず口が閉じる。
「結衣、お前は俺をどう思ってる?」
絞り出すように出た言葉は震えを抑えきれていなかった。
「おにい、ちゃん…?」
「答えろよ。」
まるで質問の答え以外受け入れないと言わんばかりの強い拒絶の口調。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…