美容室はあんまり好きじゃないんだ。 知らない人に髪を触られて、興味ない話をしなきゃならない。 それにみんな輝いて見えて落ち着けない。 やりたい事をちゃんと仕事にして、きっとやりがいもってやってるんだろうなぁって。 ドアノブを掴んだまま中を伺っていると、あたしが開ける前に中から男が顔を出した。 「こんにちは」 「…どうも」 「良かったら入りませんか」