時計を見る。まだ午前8時を少し過ぎたくらいだ。
「母さん、俺ちょっと出かける」
「そ?まあ時間あるもんね。いってらっしゃい♪」
母さんのその言葉を聞いて、俺は自分の部屋に戻る。
部屋の扉を開けると、ケータイのバイブ音が聞こえた。
棗(なつめ)からメールだ。
[[せつ!おっは〜♪♪
いきなりだけど、
今からそっち行くから!!
ヨロシク(^_−)−☆]]
「…は??今からって…」
「もう来たよ♪!!」
「ぅわっ!!!…ビビったぁ」
窓から棗が顔を出している。
「はぁ…脅かすなっつーの」
「わりわりっ」
棗はそう言って、俺の部屋に入ってきた。
「おまえ…たまには玄関から入って来いよ」
すると棗は『分かってないなぁ』みたいな顔をした。
「部屋が隣同士で、窓から入って来ないやつはいないでしよ!!」
「…何だそりゃ」
俺は笑って、ずっと持ってたケータイを机の上に置いた。