「お待たせっ…」


「…………」


「紳…?」


そう言いながら穂乃香は
俺の制服の裾を掴んだ。


それで一気に現実に戻る俺。


「あぁ、ごめんごめん」



放課後の靴箱。


俺はいつもこうして
穂乃香が来るのを待っている。


それから俺は自転車を押しながら
穂乃香の隣を歩いて帰る。


それがいつもの下校スタイルだった。