「―んっ…紳…――」



大好きな声に呼ばれ
俺は瞼を開いた。



目の前には俺の愛しい人。



「紳…大丈夫?
今日も魘されて…!」



彼女の心配そうな言葉を遮り、
俺は彼女を抱き寄せた。



「…し…んっ?……―」



何も言わず抱き締めた俺に対し、
彼女は何も言わなかった。


ただそのまま、
そっと俺の背中に手を回した。



「大丈夫…大丈夫だょ…っ?」



まるで小さい子をあやすかのように
俺の背中を優しく撫でてくれる。



彼女の言葉は…魔法の言葉だ。