眼鏡をしていたが、
すぐにそいつが太一兄だとわかった。
10年ぶりにちゃんと会った太一兄は
男の俺でもかっこいいと思うくらい
顔立ちもよく、高身長だった。
こりゃあ周りの女子生徒が
騒ぐのも無理はない。
そして通りすがりに気づいた。
微かに感じた煙草の匂いに
太一兄は大人なんだと感じた。
173cmある俺の身長でも
見上げて見る太一兄。
通りすがりにガン見する俺に
何食わぬ顔で見返された。
大人の余裕ってやつ?
太一兄を見てると
まだまだ俺はガキなんだと
思い知らされる。
太一兄は俺に持ってないものばかり
持っていて羨ましくて憎かった。
昔から…そうだった。