「はい、これでおしまいよ。
優しいお兄ちゃんに
助けてもらってよかったわね♪」


「うん!王子様みたいだったよ!
お兄ちゃん、ありがとう」


少し頬を赤らめた女の子は
照れ笑いしながら頭を下げた。


「忘れ物しないように、
もうこけないように気をつけろよ?」


頭をぽんぽんと撫でると
女の子は嬉しそうに頷いた。


「本当にありがとうね。
紳司君も早く学校行きなさい、
高校には電話しておくから」


「ありがとうございます!」


頭を下げて保健室を
出ようと扉に手をかけた。


「また穂乃香ちゃんと
遊びにいらっしゃい♪」


「…はい!!」


少し照れながらもそう返事して
俺は高校へと向かった。