今思えば、 残酷な約束だったかもしれない。 あの日から、今日までずっと。 穂乃香は泣くことも 落ち込むことも止めた。 ただひたすら、 笑顔を見せるようになった。 ――――――… 懐かしい思い出に胸が痛む暇などなく、 女の子を乗せたチャリは小学校に着いた。 校門の前にチャリを停め、 女の子をおぶり保健室に向かった。 4年ぶりに来たものの、 やはり6年間通った校舎のことは 体が覚えているようだった。