ある日の夜、 穂乃香の家族が俺の家に 泊まりに来たことがあった。 穂乃香の母さんと一緒に 寝ていたはずの穂乃香が、 俺の部屋に入ってきた。 「紳司ちゃん…?」 「んっ、どうしたの、 ほのちゃんっ…?」 俺が起きてると分かった瞬間、 穂乃香の大きな瞳から涙が溢れた。 月の光に照らされた涙は きらきらと穂乃香の頬を伝う。 急に泣き出した穂乃香を見て 俺はベッドから飛び起きた。