「ふっ、うっ、うわぁ~ん…っ」



思い返していると
泣き声が聞こえて我に返った。


5m先に小さな女の子が
泣きながら歩いていた。



可愛らしい黄色い帽子と
まだ少し大きいピンクのランドセル


1年生か…?



穂乃香に一言断って
俺はチャリを停めた。



「どうした?」


「うっぐ、わ、忘れ物しでっ、
どりにがえっで…走ったらこけだの…」


一生懸命そう伝えた
少女の膝からは血が滲んでいた。


見るからに痛そう…