「近くで見たい」

と健太郎君は思いました。


「どんな形をしていてどの位の大きさでどんな香りがするんだろう」

と思いました。


「今から、下に降りて良い?」

健太郎君はお母さんに言いました。


「良いはずがないでしょ。

せっかく家に帰れる許可がおりたっていうのに、風邪なんか引いてしまって。

夕方までおとなしく寝ていなさい。

それとも今夜、帰りたくないの?」

とお母さんは呆れた顔で言いました。