「五郎ちゃんは悪くないよ」

ちょっとあとになって健太郎君が言いました。

「五郎ちゃんは悪くない。

何も考えないで植えたり、建てたりする人間が悪いんだ」

健太郎君はハクモクレンをなぐさめました。


そしてハクモクレンの気持ちが少しだけわかりました。

健太郎君もまた、自分の病気のせいでお母さんを独占していて、兄弟に寂しい思いをさせていることを気にしていたのです。