――――龍陽side―






ふと、目を向けると、髪を手櫛でといている龍狂さん。





それは、彼の癖。





おそらく、私しか知らない…彼が悩んでいる時の癖。




彼が…顔を歪めた時、何故か彼を呼び止めてしまった。





彼の顔が…苦痛でにじんでいたから。





でも、すぐに仕事の顔になった彼を見て…少し胸の鼓動が速くなったのは…



きっと不意打ちだったから…





――――龍陽side end―