「はあ、はっ…」


息を切らして会議室に入る。普通は校舎内は走らないもんなんだよ?篠崎くん。
そういっても結局訊いてくれなそうだから、言わないことにする。
案の定、会議室にはたくさんの人がいて。
この中から、新しい生徒会の一員が決められる。
こんなにたくさんの人の中から、選ばれる確率なんてほんの一握りだ。
自分は選ばれるだろうか。
不安ばかりが募っていく。


「あ、新入生代表の子だ」


急に後ろから声を掛けられ、驚いて振り向く。
其処には_魁王先輩が笑いながら立っていた。


「あ、か、魁王、先輩!!」


「ん?なんだ、俺の名前知ってたのか」


と魁王先輩が笑うと、周りの先輩たちが、「そりゃ、生徒会長だからでしょ」と一緒になって笑う。
緊張していた空気が穏やかになる。
凄い、こんなに違うんだ、この人がいるのといないのとじゃ。
そう、思った。


「お、そろそろ時間だ。ドア、閉めてくれ。いいか、よく聞いてろよ_」


そういって話し始める魁王先輩はとても、とても、綺麗だった。