「うう、どーしよ」
舞台裏。
拍手と同時に校長の話が始まったのが分かる。
華やかなスポットライトとは対照的に落ち込む自分がいた。
あと何個で自分の番だろうか、飛ばされた紙に書かれていたことを必死に思い出す。
けれど、頭に浮かぶのは関係のないことばかりで。
「このままじゃ、新入生代表の意味がないよ…、うう、お腹いたくなってきた…」
「なあ、おい」
そんなことを考えている矢先、後ろから声がかかる。
僕は、キリキリと言い始めたお腹を抑えながら「はい」と振り向く。
「これ、お前の?新入生代表挨拶の紙。外に落ちてたけど」
「あ…!」
奇跡だと思った。