「あ、お前、…八王子か!?」
僕の顔を見ると、驚いたように、魁王先輩は声を上げる。
覚えていてくれたんだ。そう思うと凄く嬉しくて。
昔と変わらない凜とした表情に、懐かしさを感じた。嗚呼、魁王先輩だって。
僕は今、魁王先輩と再会したんだって。凄く、凄く嬉しい。
「はい、魁王先輩。八王子です。八王子冬樹です。お久しぶりですね」
相手に向けて微笑む。緊張からか、それとも再開の嬉しさか、声が少し震える。
そんな僕に、相手も微笑み返し、「嗚呼、久しぶり」と優しく返してくれた。
「魁王先輩、また生徒会長なんですか?」
訊いてみる。魁王先輩は首を振った。
今は、違う奴が生徒会長だ。俺は、違う、と。
俺は信じられなかった。魁王先輩以上の会長がいる?こんなにしっかりした人が会長じゃないなんて。
「嗚呼、でも、それ、俺の知り合いだからさ。面白え奴なんだ、今度紹介する」
愉しそうに笑う魁王先輩。
ちょっと、もやっとした。
何でだろう。
喜ばしいことなのに__。