____そして、今。
恋と知ってから、もう何年だろう。
中学、高校とずっと、魁王先輩の後を追い掛けてきた。

そのあとは、生徒会には選ばれなかったけど、ボランティアとして生徒会の仕事を手伝った。
魁王先輩は、僕が生徒会室に行くと、喜んで迎えてくれたし、他のメンバーの人たちも親切にしてくれた。

高校こそは離れてしまったけれど、魁王先輩の晴れ舞台が見たくて、文化祭や体育祭、あらゆる行事はすべて見に行った。
さすがに気付いてはくれなかった。
僕も、気づいてもらえなくてもよかった。ただ、魁王先輩が見られればそれでよかった。

そして、大学。
僕はやっと、やっとのこと、魁王先輩と同じ大学に入れた。
試験勉強は大変だったけれど、魁王先輩の事を考えればなんてことなかった。


「嗚呼、やっと、やっとだ。同じ大学…」


そう浮かれていると、手に持っていた紙が風に飛ばされる。
「あっ」と声を漏らし、後ろを向く。
幸い、紙はまだ、見えるところにあって。
良かった、と思い、拾いに行こうとすると先に誰かがその紙を拾う。


「これ、お前のか?」


聞き覚えのある、落ち着く、低音ボイス。
バッと顔を上げ、相手を見る。
其処には











ずっと追い続けた、魁王先輩が立っていた。