「いろいろあったけど、ようやく終わったな」
帰り道、優吾は伸びをしながら言った。
「ちょっと寂しいけど…」
そう言ってあたしの目を見た優吾に、あたしは「分かってるよ」というように、微笑んでうなずいた。
そう。
文化祭は終わったけれど、あたしたちの日々はまだ始まったばかり。
これから生きていく中で、何が起こるかは分からない。
だけど……
たとえばあたしが、進むべき道を見失ったとしても。
あの日、迷路で手をつないだように、優吾はきっと、あたしの手を引いて、2人で一緒に歩いて行ってくれる。
たとえ途中で迷ったとしても、優吾と一緒なら怖くない。
これからは、2人で―――
ずっとずっと、手をつないで―――
笑いあいながら、歩いていくんだ。