…だけど、返事がない。
 恐る恐る西野くんの顔を見ると、その視線の先には、あたしの描きかけの絵が。
「あっ…」
 あたしは、数枚の枯葉が青空に舞っている絵を描いている。
「…下手でしょ?」
 あたしが照れながら言うと、西野くんは首を横に振った。
「いや、綺麗ですよ。 島崎さんらしくていいと思います。 …あ、余計なことかもしれませんけど…空は、グラデーションにした方がもっといいかもしれませんよ?…あくまで、ぼくの意見ですけど」
「あ…あリがと」
 西野くんに、アドバイスまでしてもらっちゃった。