「俺がいつ、里田のことを好きになったかなんて、正直覚えてねぇんだよ。 けどさ、今日、里田の笑顔をたくさない見れて、ほんとに…俺だけの勝手かもしんねぇけど、幸せだった」
真剣なその横顔は、いつも以上にカッコいい、と思った。
「それから、迷路の中に里田を探しに行ったとき、改めて思った。 俺は、里田がいないと何もできねぇって。 その笑顔のためなら、なんでもできるって。 そう思った」
あたしはなにも言わない。
なにも、言えない。
今のあたしは、ただ、松本くんが好きなだけ。
その気持ちだけ。
「だから…ずっと、俺といてほしい。 俺は、里田のことが、好きだから。 …付き合ってください」
いつもドSな松本くんとは思えない、優しくて、まっすぐな言葉だった。
