ガタンゴトン…ガタンゴトン……
あたしは今、遊園地から家へと帰る電車の中。
その右手を包んでいるのは、松本くんの大きな左手。
松本くんの家とあたしの家は、遊園地からの最寄り駅を挟んで正反対なんだけど、
「遅くなったから送っていく。……また倒れられても困るし」
って、家まで送ってもらうことに。
強がってはいるけど、あたしのこと…心配してくれてるんだろうな。
そう思うと、心の中がほっこり温かくなる。
意地悪なだけの人だと思ってたけど、案外優しいんだな。
だから、……モテるのかな。
そう思った瞬間、ズキッと胸に痛みが走った。
え…?
何? この痛み…
なんだか、胸が、苦しいよ…?