「では、どうぞお楽しみください」
スタッフの女性の明るい声とにこやかな笑顔を背に、まずは松本くんが迷路に入る。
1人ずつじゃないといけない…らしい。
「じゃ、行ってくる」
やけに神妙な顔つきの松本くんを、
「はーい。 出てこれなくならないようにねー!」
ちょっとからかってみた。
「それはこっちのセリフだよ!!」
軽く言い残して中に入っていった松本くんの背中が見えなくなったとき、なぜか…
なぜか、少しだけ、寂しくなった。
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