「みんながさ、新川のおかげだとか新川がすごいとか、言ってくれるんだよ。 確かにあれは俺が出した案だけど、でも、俺の力だけじゃできなかったことだよな。 みんなが頑張ってくれたおかげだよ。 特に…一宮が、さ」
えっ…
「あ…あたし?」
「うん。 一宮がいなかったら、BGMも、編集も、主役も、脚本も……俺らのクラスには、なんにも足りてなかったよ。 ありがとな」
嬉しくて、頬がほてる。
「そんな…あたしの方こそ、ありがとう。 ちゃんと、見ててくれたんだ…」
言うと、新川くんは笑った。
「当たり前。 俺、これでもリーダーだったんだから、みんなのことをちゃんと見てるよ」
そう言って、新川くんはスッと真顔になった。