「みんな、おつかれ!! 最優秀賞取れて、ほんとに良かった。 ありがとう!」
 教室に戻ると、新川くんが教卓の前に立って言った。
「楽しかった~。 またやりてぇ!」
「よかったよね」
「あれは傑作だろ!」
 黒板に背中を向けて、みんなを見渡す新川くん。
 すっかりおなじみのこの姿も、今日で見納め。
 周囲のざわめきが収まってきたとき、監督さんが誰ともなしにぽつりと呟いた。
「だけどさ、なんか寂しいな。 これで終わっちゃうなんて」
 しんとする教室。
 そんなみんなに、新川くんはそっと微笑んだ。
「なに言ってんだよ。 まだ、何もかもが終わったわけじゃない。 3-Aはまだ解散しねぇし、俺らの絆は一生もんだ。 そうだろ、みんな?」
「おーーーっ!!!」
 3-Aの教室から、笑顔が消えることはなかった。