「…よし、OK!!」
 録音が終わった。
 2人で、ちゃんと録れているか確認する。
 ピアノとギターの旋律の重なりに、我ながらうっとりしてしまう。
「うん。大丈夫だな」
 新川くんの言葉に、ほっと肩の力が抜けた。
「一宮、おつかれさん。 一晩でよくこんなに弾きこんだな」
「新川くんこそお疲れさま。 こんな曲が作れるなんてすごいよ!」
 あたしが言うと、
「俺をなめんなよ?」
 そう言って、新川くんは笑った。