―――午後6時。
教室に、監督3人と新川くん、あたしの5人が残った。
撮影した映像のチェックをする。
「こうしてみると、大作だよなぁ…」
誰ともなしに呟く。
そして。
「…OKね」
監督さんの声に、みんなが肩の力を抜く。
「あとは編集したら完成…」
……
「誰がっ!?」
全員の声がハモる。
まずい!! 決めてなかった…。
「あ…じゃあ、あたし、やるよ」
文化祭委員だし。
と思った次の瞬間。
「俺も」
「…新川くん?」
新川くんはあたしの方を見て、ニコッと笑った。
「俺、パソコンは詳しいし。 1人より2人の方が楽だろ?」
「うんっ」
楽か大変かっていうことよりも、まだ新川くんと時間を共有できることが嬉しかった。
「思ったんだけどさー」
声を上げたのは、監督さん。
「エンドロールっていうんだっけ? あれ、欲しいよね」
「確かに。 出演者名とか書かなきゃね」
同意する、他の監督2人。
「じゃ、作っとくよ」
軽く答える新川くん。
「BGMは?」
別の監督さんの問いに、みんなが黙りこむ。
…と思ったら。
「…じゃあ、作っとくよ」
…はい?
今、なんと…?
「俺、こう見えてもギター弾けるんだ。 明日、作ってくるよ。 明後日、録音な。 …あ、一宮ってピアノ弾けるよな? 合奏しようぜ! 楽譜書いてくるからさ」
「えっ!? あ…うんっ」