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 最後の、あたしのセリフ。
「あたしも、ずっと前から、和弥のことが…大好き…っ」
 ……
「カーット! OK!!」
 監督さんの声が飛んだ。
「あがったーー!」
 真っ先に声を上げたのは、新川くん。
 長かった撮影が、今ようやく終わった。
 クラスメートたちも、口々に喜びと労いの言葉を掛け合っている。
「…おつかれさま」
「おう、おつかれ」
 あたしが声をかけると、新川くんはそう言ってスッと右手を上げた。
 あたしも手を上げて、パンッ、とハイタッチ。
「びしょぬれじゃん」
 あたしが笑うと、
「一宮もな」
 新川くんは、あたしの頭にパサッとタオルをかぶせた。