「起立、気をつけ、礼――」 「さようならー」 号令とともに、ようやく、帰りの会が終わった。 「じゃあ、島崎さん。 ぼくは鍵を取りに行ってきますから、先に行っててください」 「分かった」 あたしは荷物を持って、美術室へ向かった。