ときどき雅也くんは家に遊びに来てくれる。



木陰 雅也(コカゲ マサヤ)


21歳で今はパン屋で働いている。


雅也くんは頭いいし、私よりもっと上のレベルの高校を卒業して、大学に行かずにすぐ就職が決まった。


私にとってお兄ちゃんみたいな人…―



『あれ?
その制服って緑丘か?』


「うん」


『葉穏ならもっと上の高校行けたのに』




本当は上の高校行きたかったけど遠いし、勉強ついて行けなくなると思った。



「そんな事ないよ…あっ!
雅也くんのパン屋さんって今…」



やっぱり聞きにくいなぁ…


本当は自分でバイト探さないといけないのに…


私ってずるいかな。




『そうそう!俺の働いてるパン屋でバイトしないか?って伝えに今日来たんだ』


「えっ?」