―影途side―
やっぱり教室は嫌いだ。
あいつらがいないと暇だ。
昼休み以外、俺はずっとこの教室で一人だ。
誰とも話す気なんてない。
『あいつ、一緒に回るやついないんじゃねーの?』
『だよな~!番長だったやつだもんな』
『あいつ本当に喧嘩強いのか?
目付き悪いし喋りたくねー』
『そんな事より、早く行こうぜ♪』
俺に浴びせられる声はこればかりだ。
どいつもこいつも番長番長って…
でも、言いたいやつには言わせとけば良い。
それでいいんだ。
あいつらさえ居てくれれば。
こうして隣に葉穏が居てくれるだけでいい。
―影途side end―