突然のカミングアウトに
私の体は震えるしかなくて
体の力が全身から抜けていく。

ふらついた私の体を
とっさに支えたのは
宮向井くんだった。



「唯ちゃん、
 とりあえず座りなよ。

 兄貴がTaka。

 そして今のAnsyalのTakaは
 兄貴と俺。
 
 筋金入りのAnsyalファンの
 唯ちゃんなら知ってるだろ。
 
 三年前クリスマス。

 Ansyalの結成記念LIVEの日。

 会場に向かう途中、
 兄貴は交通事故にあったんだよ。
 
 その時、
 託実さんに頼まれたんだ。
 
 兄貴の夢を叶えてくれって。
 
 Ansyalの曲は
 俺も良く知ってたからさ。
 
 兄貴について、
 ずっとLIVEもついてまわってた。
 
 それで引き受けた。

 無我夢中で」



三年前のクリスマス。

あの日、Takaは
すり替わったの?

Takaの想いを受け継いで、
もう一人のTakaが誕生してた。


確かにあの日のTakaは
珍しくミスが多かった。


体調不良なのかなって
思ってたけど
こういうことなら納得が出来る。