「定位置って。

 確かにそうですねー。
 
 いつも私、
 ドジだから……
 た……Takaに
 こうやって受け止めてもらって
 ばかりでしたよね。

 でも覚えててくれて
 嬉しいです。
 
 今日、この時間だけは
 Takaのこの場所は、
 私が独占出来ますね」


可愛らしく微笑む唯ちゃん。


そんな表情に
思わる唇を落としたくなる。
 


流石に
それはマズイよな。



理性で耐えろ、俺。


必死に言い聞かせながら
唯ちゃんの体温を
服越しに感じる。



「あっ。どうしよう」


急に唯ちゃんが、身を乗り出して
窓の外を気にし始める。


俺もつられて視線を向けると、
パラパラと窓に波紋が広がる。

雨か。


小雨ではあるけど……。



「せっかくのTakaとの
 贅沢な時間なのに」


窓の外見ながら、
少し今度は拗ねて
ふて腐れた表情を見せる唯ちゃん。