「すっ、すいません。

 Takaさん、
 迷惑でしたよね。
 
 覚えてないですよね。

 なんか本当、すいません。

 楽しい時間に
 水射すような話をして」



今にも泣きそうな
唯ちゃんの表情が
とても寂しそうで
何故か、このまま
消えてしまいそうな気がして。


気が付いたら、
隣に座る唯ちゃんを
抱き寄せてた。


戸惑ったような表情を浮かべたものの
Takaの胸の中に
すっぽりとおさまった唯ちゃん。

唯ちゃんは戸惑った表情を見せた。


「このままで構わない。

 唯香の定位置だろ。

 今はデートだから」


とっさに思い描いたのは
写真撮影会の時、
いつも倒れそうになる
唯ちゃんの手を引っ張って
俺の胸の中にすっぽりはめてた。


そのビジョンが
脳裏に浮かんで
そんな言い訳。


定位置って
意味深だよな。



確かに唯ちゃんの
定位置になって欲しいけど
ありのままの俺の傍で。