CD?

兄貴と唯ちゃんの
思い出の時間?


だから唯ちゃんの写真が、
兄貴の部屋にはあったの?


「そう。

 持っててくれたんだ」


話をあわそう。

一応。

「お礼が言いたかったのに、
 手掛かりが
 あれだけだったなんて
 凄く見つけるまでが大変でした。

 でもあれがあったから、
 私、生まれ変わること
 できたんです。
 
 本当はもっと早く、
 お礼言いたかったんだけど
 手紙では嫌だし
撮影会の時は、
 そこまで話せる時間もないし」


ゆっ、唯ちゃん。


最初は興味本位で
話をあわせては見たけど
これは
俺が聞いていい内容じゃない。


兄貴に
……話すべき内容だ……。



痛ぇなぁ。



こんなに近くにいるのに
唯ちゃんの心は
兄貴にがっちり寄り添ってる。



沈黙で何も答えられない
俺を気遣いながらか
唯ちゃんが一人で喋りつづける。