☆
そして 赤く橙色をした木漏れ日が 明乃と透里を照らしていた
気分も乗らない
笑顔も作れない
けど隣にいる透里は――
幸せそうで
愛しそうで
なにより 自分が欲しかった“田口”を持っている
別に透里が悪いわけじゃない
だけど…――
ド ウ シ テ モ
ト オ リ ガ イ ナ ケ レ バ
――って 思ってしまうんだ
親友を そうゆう目でしか見れない自分がバカみたいだ…――
キュゥ…――
急に胸が苦しく 切なくなった
そして 今まで我慢して来た思いが 溢れんばかりに出てしまった
「あ…明乃?どうした…」
『ごめん…』
「ぇ…?」
我慢できない
今まで思ってきたことが 嫌でも言葉に…――
『うち…、透里にいっぱい嘘ついた…』
「…」
『うち…、“透里と田口のこと応援する”って言ったけど……、内心全然してない!』
滴る涙
溢れる思い
静まる透里
この場は 誰にも止められなかった