「でも…、もっち(透里)には言いたいことを言った方が言いと思う」
『…』
「まだ諦め切れてない田口に対しての気持ちとかさ…」
自分でもわかってるんだ...
だけど 実際面と面を合わせて伝えるのは 今の明乃だと 拒否反応みたいなのを感じちゃって 話しづらい――
告白して振られたならまだしも いきなり思いが断ち切られたようで 閉ざされたようで...
でも やっぱり諦められなくて――
振られたなら 潔く諦めるべきだけど それが出来ないから…
『明日…、田口と話したくないな…』
「…うん」
『今話したら…、会話中に泣きそうで…』
「…」
沈黙が出来てしまった
その間で 辛い1日を瞬間的に思い出してしまった――
嫌だ いやだ イヤダ
イ ヤ ダ
オ モ イ ダ シ タ ク ナ イ
すると 棗は 優しい それに温かい声で――
「とにかく、伝えなきゃ始まらないよ…。頑張って、もっちに話してみなよ」
そうだよ…
まずは伝えなきゃ始まらないよ――
棗の言うとおりだ...
『そうだね…。――棗ぇ…』
「ん?」
『ありがとぉー…』
今 棗に言える精一杯の気持ち――
これから さらに辛い道があるけれど 棗がいたから 棗が手を差し伸べてくれたから 今の私は いるんだ――
心からのメッセージ
ア リ ガ ト ウ