『それ…本当に…?』
透里は コクッと頷いた...
一瞬 沈黙が明乃の体にまとわりついた――
しかし…――
『よかったじゃん!初彼だよね!?』
「ぇ…?」
『いやー、透里に彼氏ねー。田口が告ったんでしょ!?』
「うん…」
なにやっているんだろう…
辛いからって 無理して笑顔で振舞って...
『あの田口が告ったんだー★ははは!』
透里は 目を点にしていた
「明乃…、いいの…?」
『何が?』
透里は 少し言葉をためらっていた
だが ゆっくり口を開き…――
「うちが…田口と付き合っちゃっても…」
明乃は 大きく頷いた
『うん。いいに決まってんじゃん!振られたのは仕方ないよ。その代わり、透里は田口と幸せになってよ!』
透里は「ありがと」と言ってくれた
なにやってんだろ…
本音は違うくせに――
全く逆のことを 思っているくせに…
“なんで透里なの?”
よりによって…
透里も透里だよ...
なんで うちの思いを知っていたのに OKしちゃったの…?
もう...
わからないよ...