-10年後-


「ん…ふわぁ…」
眩しい日差しと共に朝が訪れた。
まだ半分寝ている状態で時計を見た。
「起きる時間ぴったりじゃんっ!」
そう嘆くと慣れた手付きで制服を着る。
あ。申し遅れました。
私は、五十嵐藍菜です。
家からすぐの私立高校に通っています。
顔もスタイルも普通…
唯一の取り柄が勉強。
異様に勉強はできた。

ゆっくりと軽い足取りで家を出る。
「叔母さんいってきます」
「気を付けてね」
この会話を終え家を出る。
家から学校までは近い。が、バスで通っている。
「あいなっ!おはよ」
と可愛らしい声をかけてきたのは、親友の山中夏摘。
顔もスタイルも抜群で成績も優秀な
完璧ガール。
「なつみ、おはよっ!」
夏摘とは同じクラスで席も隣同士なのだ。
「藍菜!聞いた?今日、転校生来るらしいよ♪」
と浮かれた表情の夏摘。
「へぇー。興味ない。」
そう私は、あの男の子以外には、興味ない。
「ねぇっ!藍菜。もしも圭介君だったらどーする?」
飲み物を飲んでいた私はブッっと吹いた。
「い、いきなりなんですか!?」
「まだ忘れてないんだろ?」
「うん…」
そう。忘れられない男の子。
それが圭介なのだ。
夏摘とは遠い親戚らしくて…
とか、話してるうちに目的地到着。
私は軽い足取りに比べ夏摘はものすごく重い足取りだった。
うん。そーなるのも分かる。
なぜだか?。
理由は…夏摘が教室に入るやいなや、告白&ラブレターのオンパレードなのだ(笑)
夏摘は異常にモテる。
まぁ、何もかも完璧ですからね…。