『大貴!俺今日、部活休むわ。よろしく。」
前を通りすぎていった架陽。
“よろしく”というのは、顧問に伝えておけ、ということだろう。
俺はやっぱり、架陽が犯人だと思う。
さっきも、架陽から視線を外せなかった。
『あっ…。』
すると、前を通り過ぎた架陽が、すかさず携帯を取り出した。
…?
携帯を取り出したあと、意味不明な動作をして苦笑いしている。
…操作ミス?
まるで携帯から何かをはがすような取るような。
あまりにも不自然だったので、記憶に残ってしまった。
もちろん、架陽の携帯は、黒のスマホ。
先生に見せてもらった緑色のガラケーとは違った。