ある時私はリョウくんに聞いてみた

どうしてそんなに結婚したいの?と

答えはシンプルかつ大胆なものだった

リョウくんはにっこり笑ってこう答えたのだ



『縛りたいんだ』



私は驚くのと同時に呆れてモノが言えなかった

結婚という目に見えない誓約で私を縛ろうというのだ



好きな男に言われたからギリ許せるこのセリフは

普通なら相当ひいてしまうだろう



もちろん縛られる気の無い私は結婚など考えてはいない

それでも言われるのが心地良いと感じている間は

リョウくんと付き合っていくだろう



いつか私がリョウくんの気持ちを重たいと感じる前に

冷静になってくれるのを願いつつ

今日も私はリョウくんからの愛の囁きを受け流す



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