一週間に一度しか会えない彼
会った時には必ず 私の体に赤い痕を残してく
いつも同じ様な場所に吸い付いて
まるで彼の所有物である証のように刻み付ける
その赤いしるしは 普段は見えないけれど
お風呂の鏡でなら確認できる
いつも彼と会う頃には消えているそのしるしが
たまにうっすらと残っている時
彼は同じ場所に唇をつけ さらに濃く
赤黒くなったしるしに満足そうに微笑むのだ
そして今日も私に赤いしるしを残し
彼は自分の妻が待つ家に帰って行く
どうせ私は彼にとって偽りの所有物
こんなモノで満足している彼を
愛おしいと思えるうちは縛られているフリをしていてあげる
どんなに濃く 痛いほどのしるしを残しても
いつかは必ず消えるのだから
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