そして次の日。

さっそく陽平に連れてきてもらった。


“あかね”に逢うために。


俺らが3人並んで廊下を歩くだけでキャーキャーと周りが騒がしい。

耳が痛い。


蒼次も陽平も懲りずに笑顔で手を振っていた。

俺も同じように笑って手を振り返す。

この歓声が陽平は気持ちいいらしい。

ある意味お前を尊敬するよ。


何人かの女の子は鼻血を出していたり、失神していたり。

そして、たどり着いた場所は2-Aの教室だった。


「あのさ、ここに
あかねちゃんっているよね?」


陽平は満面の笑顔で大きな声で尋ねる。


「あ、あかね!!
えっと、呼ばれてるよ!?」

「…私?」


いっせいにその子に注目が注がれた。


人ごみで俺にはまだどんな女の子か分からなかった。


クラスの女子が「あかね、どういうこと?」って詰め寄りながら聞いていた。


違うクラスの人たちも集まり始める。

冷やかしや絶叫があちこちから起こっていた。


「実は貴之が
呼んでるんだよね」


陽平は明るくその子に説明しようとしていた。

そして人ごみの中から姿が見え始める。

その女の子は少し顔が照れているようだった。


その子は誰が見てもキレイな子だった。

昨日ぶつかった彼女とは全く違って…。


陽平が言うにはその女の子は学年一の美少女らしい。

まぁ、俺は全く興味ないから後で聞いた話だけど。