あたしは顔が上げられなかった。
隣でホロ酔いだった伊織は
急に酔いが冷めたのか
あたしをずっと心配してくれていた。


昔から、伊織には何でも相談していて、
あたしの最悪な思い出の事も知っていた。



だからあたしの心情が分かっていたらしい。





「なんだよ~みんな寝てんじゃねーかぁ。

 ・・・ん?誰こいつ。」



「お?俺のこと?俺、響と同じクラスの渡邊蒼。
 てか君かっけーなぁ!!よろしくー!」





こいつはまた余計なことを・・・・


あたしは渡邊蒼を睨みつけた。